呆れた前髪
恵比寿で髪を切ろう
そう思い立ったのは、
最近の俺が冴えないからだ。
先週の日曜日も散々だった。
先輩と付き合いで行ったパチンコは大負けし、おまけに、仕事のために、早く寝よう。と
寝たのに寝坊。。。
俺は俺に幻滅していたのだ。
それだけではない。
ガールズバーの女子を口説き倒したと思えば、
帰り際に「わたしには、あっくんがいるの、ごめんね、、」
と言い出す始末。
ふざけている
世の中が俺のことを馬鹿にしてる。
そう思わざるを得ない。
そこで俺は恵比寿という初めて行く
得体の知れない都会で髪を切ることを
決意したのだ。
ここでなにかが変わるかも知れない。
そう期待を胸に俺の愛車を走らせていると
「そこの車、ちょっと待ちなさい!!」
チャリで俺のこと追いかけて来てる??
なんでだ?俺は速度も守っているし、
歩行者だって確認したはずだ。
「はい???」
車を左手に止めたはいいものの、嫌な予感がし
た
「君、信号みてたかい??みてなかったよな」
「いやいや、してないですよ!」
「いーや、私はみていたよ、、」
俺はもうこいつにも、人生にも、うんざりだった。抵抗する気にもならなかった。
あーそうか、、、
美容院にはもう間に合わないな。